n8n · セルフホスト · 2026年9月6日時点
n8n をセルフホストする
導入自体は 1 行で終わります。curl -fsSL https://get.n8n.io | sh。n8n のドキュメントによれば、このコマンドは Linux または macOS(Windows は WSL 経由)の Docker を前提とし、1 ステップで n8n を立ち上げます。起動後は http://localhost:5678 で開きます。ライセンスキーを入れなければ動くのは無料の Community 版で、ドキュメントにも「All self-hosted installations use the same core product. Without a license key, n8n runs as the free Community edition.」と明記されています。
難所は導入ではなく、その直後です。セルフホストの既定タイムゾーンは America/New_York なので、「毎朝 9 時」のつもりの定期実行が別の時刻に走ります。以下では、インストール方法の比較、コマンドの原文、最初に必ず直す 3 つの設定、更新手順、そして n8n Cloud との率直な費用比較を順に扱います。
導入の流れ
- 前提を確認するDocker が動いていること、そして
docker composeプラグインの v2 が入っていること。ドキュメントは、ワンライナーが古い単体バイナリdocker-composeではなく v2 プラグインを必要とすると明記しています。Podman や Colima を使う場合はdockerCLI と compose プラグインを入れ、DOCKER_HOSTをそのソケットに向けます。 - コマンドを実行する初回は起動に少し時間がかかります。スクリプトは n8n の準備ができてから URL を表示するので、開かないときは少し待って再読み込みしてください。
- ワークフローを作る前にタイムゾーンを直す後回しにすると、あとから全部の定期実行を見直すことになります。詳しくは下の設定欄を参照してください。
- テンプレートを 1 本入れて実行する当サイトのテンプレートには認証情報が一切不要なものがあり、環境が正しいかを最短で確認できます。
コマンド原文
n8n のドキュメントからそのまま引用しています。山括弧の部分はご自身の値に置き換えてください。
ワンライナー導入。完了するとスクリプトが、データの場所(./n8n、Docker ボリューム n8n-data)と、停止・更新・アンインストールのコマンドを表示します。
curl -fsSL https://get.n8n.io | sh データを永続化する単体 Docker コンテナ。ボリュームを作り、イメージを取得してコンテナを起動します。ポート 5678 を公開し、タイムゾーンを 2 か所(システム用の TZ と、Schedule Trigger などスケジュール系ノード用の GENERIC_TIMEZONE)に設定し、設定ファイルの権限を強制し、ドキュメントが推奨実行方式とする task runners を有効にします。
docker volume create n8n_data
docker run -it --rm \
--name n8n \
-p 5678:5678 \
-e GENERIC_TIMEZONE="<YOUR_TIMEZONE>" \
-e TZ="<YOUR_TIMEZONE>" \
-e N8N_ENFORCE_SETTINGS_FILE_PERMISSIONS=true \
-e N8N_RUNNERS_ENABLED=true \
-v n8n_data:/home/node/.n8n \
n8nio/n8n 最初に直す 3 つの設定
- タイムゾーンドキュメントによれば、セルフホストの既定は
America/New_Yorkです。GENERIC_TIMEZONEとTZの両方をAsia/Tokyoにしてください。設定後に実際どの時刻へ発火するかは、タイムゾーンを選べるcron 式ビルダーで確認できます。 - セキュアクッキーn8n は認証クッキーを既定で
Secureにします。社内 LAN の IP アドレスにhttp://でアクセスすると、エディタではなく警告画面が出ます。原因と 3 つの対処はセキュアクッキーのエラーにまとめてあります。 - データの永続化ボリュームなしではコンテナを作り直した時点で全部消えます。上の Docker コマンドが
n8n_dataを作り/home/node/.n8nにマウントしているのはそのためです。ワンライナー導入ではスクリプトが同じ処理を行います。
更新のしかた
更新対象は n8n 本体ではなくイメージなので、手順は導入方法によって変わります。
Docker Compose の場合。compose ファイルのあるディレクトリで実行します。
cd </path/to/your/compose/file/directory>
docker compose pull
docker compose down
docker compose up -d ワンライナー導入の場合。導入直後にスクリプト自身が表示するコマンドです。
curl -fsSL https://get.n8n.io | sh -s -- --upgrade メジャーバージョンをまたぐ更新の前にはバックアップを取ってください。データはコンテナではなくボリュームにあります。
無料版に無いもの、代わりに払うもの
ドキュメントは Community 版を almost the complete feature set
と表現しています。含まれないものは決まった一覧です。カスタム変数、環境分離、外部シークレット、バイナリデータの外部ストレージ、ログストリーミング、マルチメイン構成、プロジェクト、SSO(SAML・LDAP)、ワークフローと認証情報の共有、Git によるバージョン管理。メールアドレスを登録すると、フォルダ・エディタ内デバッグ・カスタム実行データが追加で開放されます(これも無料)。
ライセンス料の代わりに払うのは運用工数です。n8n 自身が挙げているのは、サーバーとコンテナの構築・設定、リソース管理とスケーリング、サーバーとアプリケーションの保護、そして n8n の設定。あわせて「セルフホストは経験のある利用者に推奨する」「設定を誤るとデータ損失・セキュリティ問題・停止につながりうる」と注意しています。
費用の比較はこうなります。n8n Cloud は Starter が月 20 ユーロ(2,500 実行)、Pro が月 50 ユーロ(10,000 実行)で、いずれも年払いです。月 10,000 実行を下回るうちは、この金額のほうが月数時間の保守より安く付きます。上回るなら自前サーバーが有利です。n8n Cloud では Pro の上が問い合わせ見積もりの Enterprise だからです。計算の内訳はn8n の料金にまとめています。
インストール方法の比較
| 方法 | n8n が推奨する場面 | 前提 |
|---|---|---|
| ワンライナー | 最小限の設定で素早く立ち上げたいとき | Linux または macOS と curl、docker compose v2 プラグイン |
| Docker Compose | データベースなどを併設する本番運用 | Docker と Docker Compose |
| Docker(単体コンテナ) | compose ファイルなしで細かく制御したいとき | Docker |
| クラウド事業者 | AWS、Azure、Google Cloud(Cloud Run / GKE)、DigitalOcean、Hetzner、Heroku、OpenShift —— それぞれ個別の手順あり | 各事業者のアカウント |
| npm | ローカル開発やテスト | Node.js —— n8n 3.0 以降は非推奨。ドキュメントは Docker Compose かワンライナーを勧めています |
出典と確認日
このページのコマンドと記述はすべて 2026年9月6日に読んだ n8n のドキュメントに基づきます。コマンドは原文のまま掲載しています。ドキュメントと食い違いがある場合はドキュメントが優先されます。お気づきの点は support@flowtemplates.app までご連絡ください。
- n8n Docs — Host n8n — 最終確認日 2026-09-06
- n8n Docs — One-line setup — 最終確認日 2026-09-06
- n8n Docs — Install with Docker — 最終確認日 2026-09-06
- n8n Docs — Install using Docker Compose — 最終確認日 2026-09-06
- n8n Docs — Compare editions — 最終確認日 2026-09-06
- n8n Docs — Update n8n — 最終確認日 2026-09-06
- n8n Plans and Pricing — 最終確認日 2026-09-06
よくある質問
n8n をセルフホストするにはどうしますか。
最短は n8n が公式に案内しているワンライナー、curl -fsSL https://get.n8n.io | sh です。Linux か macOS(Windows は WSL 経由)の Docker と docker compose v2 プラグインが前提で、実行後は http://localhost:5678 で開きます。本番運用にはデータベースなどを併設できる Docker Compose が推奨されています。
セルフホストの n8n は無料ですか。
無料です。ライセンスキーを入れなければ、どのインストール方法でも無料の Community 版として動作し、ドキュメントによれば機能もほぼ全部そろっています。かかるのはサーバー代と運用の時間です。Business / Enterprise のライセンスキーは追加機能を有効にするもので、運用そのものには必要ありません。
Community 版に無い機能は何ですか。
決まった一覧です。カスタム変数、環境分離、外部シークレット、バイナリデータの外部ストレージ、ログストリーミング、マルチメイン構成、プロジェクト、SSO(SAML・LDAP)、ワークフローと認証情報の共有、Git によるバージョン管理。それ以外 —— 全ノード、全連携、ワークフロー数無制限 —— は含まれます。
定期実行が想定と違う時刻に走るのはなぜですか。
ドキュメントのとおり、セルフホストの既定タイムゾーンが America/New_York だからです。GENERIC_TIMEZONE を Asia/Tokyo にし、コンテナ内のスクリプトやコマンドも同じ時刻を見るように TZ も同時に設定してください。個別のワークフローには、ワークフロー設定で別のタイムゾーンを指定することもできます。
セルフホストの n8n はどう更新しますか。
Docker Compose なら compose ファイルのあるディレクトリで docker compose pull、docker compose down、docker compose up -d を実行します。ワンライナーで導入した場合は curl -fsSL https://get.n8n.io | sh -s -- --upgrade を使います。これは導入直後にスクリプト自身が表示するコマンドです。
n8n Cloud と比べてセルフホストは得ですか。
月 10,000 実行を下回るうちは、たいてい得になりません。Starter 20 ユーロ、Pro 50 ユーロは月数時間の保守工数より安いためです。上回るなら得です。n8n Cloud では Pro の上が問い合わせ見積もりの Enterprise になるからです。実行数と無関係な理由としては、データを自社インフラに置けることが挙げられます。n8n は AWS、Azure、Google Cloud、DigitalOcean、Hetzner などへの導入手順を公開しています。